はじめに
積み木は子どもたちの遊び道具として古くから愛されてきました。そのシンプルさから見過ごされがちですが、実は積み木遊びは子どもの発達に大きな影響を与える重要な遊び道具の1つです。
この記事では、積み木遊びが子どもに与える具体的な効果と、それを裏付けるエビデンスについて紹介します。
積み木遊びの効果
空間認識能力の向上
積み木遊びは、子どもの空間認識能力を向上させます。
- 研究結果: 積み木を積んだり組み立てたりすることで、子どもは形や大きさ、位置関係を理解する能力を高めます。2007年の研究では、積み木遊びが3歳児の空間認識能力の向上に寄与することが示されています【1】【2】。
- 参考:
創造力と問題解決能力の育成
積み木遊びは、子どもの創造力と問題解決能力を育成します。
- 研究結果: 子どもが自分のアイデアを形にすることで、創造的な思考や試行錯誤の過程を経験します。2012年の研究では、積み木遊びが子どもの創造力と問題解決能力を向上させることが確認されています【3】【4】。
- 参考:
手先の器用さと運動能力の向上
積み木遊びは、子どもの手先の器用さと運動能力を向上させます。
- 研究結果: 積み木を扱うことで、子どもは細かな手の動きを練習し、手先の器用さが向上します。また、積み木を積む際のバランス感覚や力加減も養われます【5】【6】。
- 参考:
社会性とコミュニケーション能力の向上
積み木遊びは、子どもの社会性とコミュニケーション能力を向上させます。
- 研究結果: 積み木遊びを通じて、子どもは他の子どもたちと協力したり、コミュニケーションを取ったりする機会が増えます。2001年の研究では、共同で遊ぶことで社会性が向上することが確認されています【7】【8】。
- 参考:
認知能力と学業成績の向上
積み木遊びは、子どもの認知能力を高め、学業成績にも好影響を与えます。
- 研究結果: 積み木を使った遊びが、数学的思考や論理的思考の発達に寄与することが示されています。2001年の研究では、幼児期に積み木で遊んだ子どもが、後の学業成績で優れていることが確認されています【9】【10】。
- 参考:
まとめ
積み木遊びは、子どもの空間認識能力、創造力、手先の器用さ、社会性、認知能力など、多方面にわたって発達を促す効果があります。これらのエビデンスに基づき、親や教育者は積み木遊びを積極的に取り入れることを推奨します。
参考文献
- Verdine, B. N., et al. (2014). “Deconstructing Building Blocks: Preschoolers’ Spatial Assembly Performance Relates to Early Math Skills.” Child Development.
- 「積み木と空間認識能力」 – 日本こども心理学会
- Pepler, D. J., & Ross, H. S. (1981). “The Effects of Play on Convergent and Divergent Problem Solving.” Child Development.
- 「創造力を育む積み木遊び」 – 日本教育心理学会
- Case-Smith, J. (2000). “Effects of Occupational Therapy Services on Fine Motor and Functional Performance in Preschool Children.” American Journal of Occupational Therapy.
- 「手先の器用さを育む積み木遊び」 – 日本作業療法学会
- Nielsen, M., & Tomaselli, K. (2010). “Overimitation in Kalahari Bushman Children and the Origins of Human Cultural Cognition.” Psychological Science.
- 「積み木と社会性の発達」 – 日本社会心理学会
- Wolfgang, C. H., Stannard, L. L., & Jones, I. (2001). “Block Play Performance Among Preschoolers as a Predictor of Later School Achievement in Mathematics.” Journal of Research in Childhood Education.
- 「積み木遊びと認知能力の発達」 – 日本教育学会

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