子どもの肥満とスクリーンタイムの関連

子どもの発達

肥満は、将来的な健康リスクを高める可能性があり、昔に比べて日本でも肥満が問題になっています。

近年、テレビやスマートフォンなどの普及によりスクリーンタイムの増加し、子どもの肥満と関連していることが指摘されています。

本記事では、最新の研究を基に、子どものスクリーンタイムと肥満の関係について詳しく解説します。

スクリーンタイムとは?

スクリーンタイムとは、テレビ、パソコン、スマートフォン、タブレットなどの電子機器の画面を視聴する時間を指します。

子どもたちの生活において、これらのデバイスは学習や娯楽の手段として普及していますが、長時間の使用が健康に与える影響が懸念されています。

スクリーンタイムと子どもの肥満の関連性

新潟大学の研究によれば、小学5年生から中学2年生の女子において、長時間のスクリーンタイムが肥満と関連していることが明らかになりました。

スマートフォンの使用時間が3時間以上、その他のスクリーンタイムが2時間以上の女子は、これらの時間が短い女子に比べて、肥満リスクが約7倍高いと報告。

新潟大学

さらに

スクリーンタイムが長くても、十分な身体活動や睡眠時間を確保している子どもでは、肥満リスクが軽減される可能性が示唆されています。

SNDJ Web

これは、運動や適切な睡眠がエネルギー消費や代謝に良い影響を与えるためと考えられます。

スクリーンタイムが肥満に影響を与えるメカニズム

長時間のスクリーンタイムが肥満に影響を与える主な要因として、以下が考えられます

身体活動の減少

スクリーン視聴中は座位で過ごす時間が増え、全体的な身体活動量が減少します。これにより、エネルギー消費が低下し、体脂肪の蓄積につながります。

不健康な食生活

テレビ視聴中の間食や、高カロリー・高脂肪の食品広告の影響で、不健康な食習慣が形成されやすくなります。

睡眠不足

夜間のスクリーン使用は、睡眠時間の短縮や睡眠の質の低下を招き、ホルモンバランスの乱れや食欲増進につながる可能性があります。

スクリーンタイムの適切な管理方法

子どもの健康を守るためには、スクリーンタイムの適切な管理が重要です。以下のポイントを参考にしてください。

使用時間の制限

日本小児科学会では、2歳以上の子どもに対して、1日あたり2時間以内のスクリーンタイムを推奨しています。

定期的な休憩

長時間の使用を避け、1時間ごとに10~15分の休憩を取り入れることで、目や体への負担を軽減します。

親子でルール作り

家族全体でスクリーンタイムのルールを設定し、子どもが自主的に守れるようサポートしましょう。

代替活動の提案

屋外活動や運動、屋内では読書や創作活動など、スクリーン以外の楽しみを提案してみるのもおすすめです。

1度屋外に出てみれば、子どもは好奇心の強いのでいろんなものに興味を持つことが多いです。

身体活動と睡眠の重要性

スクリーンタイムの管理とともに、適切な身体活動と十分な睡眠時間の確保が、子どもの肥満予防に効果的です。

世界保健機関(WHO)は、5~17歳の子どもに対して、1日あたり少なくとも60分の中強度から高強度の身体活動を推奨しています。また、小学生は9~11時間、中学生は8~10時間の睡眠が望ましいとされています。

まとめ

子どもの長時間のスクリーンタイムは、肥満リスクを高める要因となり得ます。

しかし、適切な身体活動や睡眠時間の確保によって、そのリスクを軽減することが可能です。

スマホやPCは現代社会で必需品となってきています。使用すること自体が悪いわけではなく、使用頻度や時間を管理していく能力を養っていく必要があります。(これは子どもに限らず、大人も同様です)

保護者としては、子どものスクリーンタイムを管理し、バランスの取れた生活習慣をサポートすることが必要かもしれません。

さらに詳しい情報や具体的な対策については、以下の動画も参考にしてください。



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