子どもは成長に合わせて、運動や言語などが成長していきます。親もその成長を楽しみに見守っていると思いますが、「周りの子に比べて、うちの子はまだ○○もできない」と悩まれている親御さんもいるのではないでしょうか。
定期検診(9ヶ月や1歳半、3歳など)で医師に相談したり、逆に医師や保健師から発達の遅れについて指摘される方もいると思います。個人差レベルでゆっくりなお子さんもいれば、発達の遅れに原因があるお子さんもいます。
20〜30年前と比較して『発達障害』という言葉を耳にする機会が増えてきました。TVで特集されることもあり、広く一般的にも知られる言葉となってきていますが、その詳細については何かよく分からないという方が多いのではないでしょうか。
そこで、「発達障害」についてまとめていきます。※以下に記す症状などが当てはまるからと言って発達障害というわけではありません。お子様の発達に不安がある方は行政に相談する/病院を受診するなどの対応をお奨めします。
発達障害とは
発達障害については「発達障害者支援法」で定義でされています。
「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能の障害であって、その症状が通常低年齢において発現するものとして、政令で定めるものをいう。
引用:文部科学省HPよりhttps://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main/1376867.htm
発達障害は『脳の機能』が関与すると考えられている障害です。一般的にコミュニケーションや対人関係が苦手な場合が多いですが、障害の程度や年齢、生活の環境によっても症状は異なってきます。
主な発達障害には、広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害、学習障害などがあります。それぞれ特性によって分類されますが、各障害が重複することもあれば、年齢によって特性の強さが変化することもあると言われています。
広汎性発達障害
コミュニケーションや社会性に関係する発達障害の総称であり、代表的なものに自閉スペクトラム症があります。主な特性(症状)に言葉の遅れ、コミュニケーションの難しさ、パターン化した習慣に対するこだわりなどがあります。
また、人に対する関心(表情や態度など)より視覚的な情報(文字や図形、物)に対する関心が強い、感覚刺激に対し敏感なことがある…などの特性をもつこともあります。
注意欠陥多動性障害(AD/HD:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)
一般的に『多動』という言葉で認識されていることが多いと思いますが、正式には注意欠陥多動性障害()といいます。「不注意」、「多動・多弁」、「衝動性」などを特徴とする障害です。「忘れ物をする」、「スケジュール管理が苦手」などの特性で気づくことがあります。
学習障害(LD:Learning Disorders、Learning Disabilities)
学習障害は、全般的な知的な遅れがないにも関わらず、「書く」「読む」「計算する」などの特定の能力を学ぶことや実行することが困難である障害です。
書くことが苦手で時間が人一倍かかったり、メモをとることが苦手であったり、字を読むのに時間がかかる場合などがあります。
神経発達症とは
一般的にはまだあまり認知されていませんが、DSM-5-TR 精神疾患の診断・統計マニュアルでは「神経発達症」という用語が採用されました。
発達障害と似た用語になりますが、神経発達症の方が知的発達症やコミュニケーション症群なども含まれ、発達障害と比較して広範囲に障害を捉えています。
受診や相談について
お子様の発達に不安のある方は、お住まいの市町村の窓口や発達障害者支援センターにご相談頂くか、発達相談外来を行っている病院を受診することをお奨めします。
まとめ
・発達障害とは「脳の機能」に由来する障害である
・代表的な発達障害には広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害、学習障害などがある。
・お子様の発達に不安のある方は、一人で悩まずに相談できる場所に行く